今日も明日も旅立とう

日記などを書きます。

コロナ禍の中で良いこと

 このコロナ禍で、良いことはほとんどありませんが、私にとってはひとつだけ良いことがあります。

 それは、通勤電車の窓が開いていることです。

 私は列車の窓から聞こえる走行音が好きなので、今の状態はとても好ましいです。

 列車の音には外で聞く音と中で聞く音と中で聞く外の音があると思います。

 外で聞く音は、野外や駅構内で列車が通過するのを聞くやつです。レールの継ぎ目でタタンと響く音が好きです。発車するときのモーター音やエンジン音も好きです。目の前を通り過ぎるときの轟音も、遠くから響く音も、それぞれに風情があって好きです。

 中で聞く音は、締め切った列車内で床下から響く動力やレールと車輪の摩擦音です。車輪の状態としてはあまり良くないらしいタタタタタタタタというフラット音が好きですが、基本的にくぐもった音になることと、一番聞き慣れて新鮮味がないので、あまり味わって聞くということはありません。

 中で聞く外の音は、列車の中で窓を開けて聞く音です。外で聞く音なのに通りすぎずにずっと味わっていられる、最高の音です。もちろん中で聞く音も少し聞こえるので、列車の音をたっぷり楽しめます。行き違う列車や、こちらが停車中に発車している列車の音も聞こえます。素晴らしいです。

 通勤電車で窓を開けるのは、ロングシートなので自分のところだけ窓を開けるということができないこと、冷暖房完備なので開けることでそれらの効果を損なってしまうことなどがあって、基本的には他の人の迷惑になりかねないので憚られることでした。でも、今は違います。開けていいのです。というか、すでに開いています。

 こんなに素晴らしいことがありますか。