イヤホンを買いました
Unique MelodyのMAVISⅡというイヤホンを買いました。このイヤホン欲しいなぁと思い始めてから半年以上経ってからの購入でした。躊躇した理由は金額で、その問題は解決できてはいませんが買ってしまいました。今とっても嬉しいので、買って良かったと思います。
購入動機は3つあります。1つ目は、通勤時のイヤホンをER-4Sから別のものに替えたいと思っていたことです。ER-4Sの音に不満はありませんが、装着感の悪さとタッチノイズは不快でした。
2つ目は、マルチドライバのイヤホンを試したいと思っていたことです。私がER-4Sを買った頃にももうすでにUltimate Earsの10pro等のマルチドライバイヤホンが出回っていましたが、マルチドライバであること自体が強烈な売りとなっていたように記憶しています。しかし現在では高級イヤホンの価格帯がどんどん上がり、その中においてはマルチドライバはもはや当たり前のような感覚です。私もミーハーな所がありますので、マルチドライバを体験してみたいという気持ちが強くなってきました。
そして3つ目、これが最大の理由なのですが、とにかく高級イヤホンが欲しいというものです。単なる物欲です。所有欲です。性能や音は二の次、とにかく高いイヤホンを所有したい。でも友達がいないから自慢できない。でも欲しい。
というわけで購入候補をUnique MelodyのMAVISⅡとMAVERICKⅡに絞りました。
価格帯として、所有欲を満たせるラインは自分の中で定価10万円以上に設定されました。青天井でお金を出せるわけではないので、上限は税込み15万円台前半です。スペックはマルチドライバであればあとはなんでも構いません。
そして所有欲的には見た目はかなり重要です。カスタムIEMに憧れがあったので、見た目がそれっぽいUnique Melodyのイヤホンが目に止まりました。その中で上記条件を満たすのがMAVISⅡとMAVERICKⅡでした。デザインもスケルトンで中のパーツが見えるのが少年心をくすぐりますし、メーカーのロゴマークも格好良く、片方のイヤホンにメーカー名を大きく表示し、もう片方のイヤホンにはメーカー名を表示せず隅に小さくモデル名をあしらうスタイルで左右が非対称となっているのも好きです。
この2機種はどちらもBAドライバとダイナミックドライバの両方を搭載するハイブリッドタイプで、全てBAドライバからなるタイプも試聴してみようかと考えましたが、見た目の時点でMAVISⅡかMAVERICKⅡが欲しいという状態になってしまったのでこの2機種に絞って試聴しました。
結果、選んだのはMAVISⅡでした。
試聴に使った再生機器はFiiO X5 2ndです。どちらのイヤホンもハイゲインよりローゲインの方がいい音でした。視聴に使った曲は主にCD音源のJ-POPです。50曲ほど聴きました。
MAVISⅡを選んだ理由は以下のとおりです。
①アコギが相対的にMAVISⅡの方が好み
最初に感じたのがこれです。山弦の「祇園の恋(GION)」、DEPAPEPEの「Sailing」を聴いて、MAVERICKⅡはこれらに合わないなと思いました。MAVISⅡが特に合っているというわけではないのがなんとも微妙なところです。ちなみに今所持しているヘッドホンでこれらの曲を私に一番よく聴かせてくれるのはK701です。
②ドラムが相対的にMAVISⅡの方が好み
MAVISⅡのドラムの音が特別好きというわけではないのですが、それに比べてもMAVERICKⅡはドラム(楽器は詳しくないので正式名称は違う楽器かもしれません。いわゆる「バンド演奏」で使われるドラムセットのうち手に持ったバチで叩くものです)の音がビシャーンととっちらかる感じで印象がよくありませんでした。ちなみに今所持しているヘッドホンでドラムの音が好きなのはER-4S、DT990 e/600、K701、HE-560です。駆動方式がバラバラですね。
③ボーカルが相対的にMAVISⅡの方が好み
MAVERICKⅡが悪いわけではないのですが、MAVISⅡのボーカルの方が男声も女声も聴いていて気持ちよかったです。MAVISⅡの方が声が近いせいもあるかもしれません。基本的に通勤用として使い、騒音下で音楽を聴くことを考えると主旋律のボーカルがよく聞こえる方がよいと考えました。
④相対的にMAVISⅡの方が合わない曲が少ない
MAVERICKⅡは合う曲と合わない曲が割とはっきりしていました。といっても、どういう曲だと合うのか、または合わないのかというところまでは分かりませんでしたが、合う曲は他に持っているヘッドホン・イヤホンよりも楽しく聞ける反面、合わない曲は軽く聞こえるだけという感じでした。
一方MAVISⅡはMAVERICKⅡと比べて相対的に合っていると感じる曲(前述の「祇園の恋(GION)」等)はあるものの、それ以上のものはありませんでした。しかし、つまらなく聞こえる曲もありませんでした。基本的に通勤等外出時に使用する予定で、持っていくのは一本のみの運用を予定していますので、オールマイティーな方が好ましいと考えました。
⑤相対的にMAVISⅡの方が音の出方が丁寧
演奏の始まり方についてなのですが、MAVERICKⅡは「なんとなく始まってしまう」感覚でした。始まり方が雑というか、まるで指揮が始まる前に演奏が始まってしまっているような印象を受けました。ですので、聴いている方もなんとなく聴き始めてしまう感じで、曲に入り込みにくいと感じました。
それに比べるとMAVISⅡの方は始まり方が静かなところからスッと、あるいはビシッと演奏が始まるイメージが得られ、聴いている方の姿勢も正される感覚でした。
⑥相対的にMAVISⅡの方が音色が良く、つい聴いてしまう
①~⑤に関連して、MAVERICKⅡは割と性格が分かりやすく、曲の最初の方を聞けば大体どんな感じで鳴らすのかが「分かってしまう」感じで、数十曲視聴する中で後半の方では聴いていて「ああ、そうね。うん、そうね。ハイ次」という状態になりました。
一方のMAVISⅡは一聴するとMAVERICKⅡより特徴がない感じなのですが、演奏の始まり方が良いのと音色が良いのとで、試聴終盤でも結構聴き込んでしまいました。
くるりの「ワンダーフォーゲル」、CooRieの「センチメンタル」等、MAVERICKⅡで聴きたい曲もいくつもありましたが、より私的にはバランスの取れたMAVISⅡを購入する運びとなりました。
事前にgoogleで検索して、どちらかというとMAVERICKⅡの方がフラットないし高音寄りで万能、MAVISⅡは低音寄りで個性的という先入観で試聴しましたが、個人的には相対的にMAVERICKⅡの方が高音寄りで癖があり、MAVISⅡの方がフラットで万能と感じました。自分の耳(脳)とこれまでの音楽鑑賞体験は他人には分かりませんから、やはり試聴は重要です。
購入後早速開封して聴きながら帰りました。単純に音だけで判断して10万円オーバーの価値があるかというと、正直わかりませんが、今私は幸せです。聴いてるときもニヤニヤしてますし、外したときも眺めてニヤニヤしています。