今日も明日も旅立とう

日記などを書きます。

久しぶりに美術展に行きました

 清宮質文の展覧会に行きました。

 

 

 今回は栃木県鹿沼市鹿沼市川上澄生美術館での開催です。

 昨年から、清宮質文の作品が気に入ったことに加え、美術展に行くことを口実に鉄道旅行するのも楽しいなと思ったので清宮質文の個展は見に行こうと決めています。

 残念ながら、今回は距離が近いのと、お得な切符が使いやすくてかつ乗りたい(乗ったことがない)路線が近辺にないこと、最近ちょっと節約が必要なことから、日帰りです。

 開館時間に間に合うよう始発列車に乗り出発。北千住で東武鉄道に乗り換えて新鹿沼駅へ。美術館の最寄り駅はJRの鹿沼駅ですが、最寄りと言ってもそれほど距離が変わらないこと、東武利用のほうが運賃が安かったことからこの経路にしました。

 以前鬼怒川温泉へ行ったときには時間の都合で栗橋乗り換えだったので、北千住から東武日光線まで東武鉄道で行くのは多分初めてです(それよりも前のことはよく覚えていません)。

 南栗橋東武日光行きへ乗り換えます。私だけでなく乗客がそのまま乗り換えました。東武日光行きは4両編成でクロスシート。乗ってきた列車が6両編成でロングシートだったので、東武日光行きは結構な混雑でした。

 皆さん日光へ行くのかなと思いきや、乗客は新栃木と栃木で結構降りました。確かに出で立ちは旅行客っぽくなかったですが、短編成クロスシートの様相を見て完全に観光路線なのかと勘違いしていたのでちょっと意外でした。以前乗ったときはもっと時間が遅かったので、観光客比率が高かったのでしょう。知らない路線はこういうところが面白いです。

 新鹿沼駅は線路の片側のみの地上改札という昔ながらのスタイルでした。ICカードの残額が足りなかったのでチャージしようと思ったら、精算機はありませんでした。駅員さんにお願いして精算してもらい、外へ。

 天気は快晴。気温も高く日射も強く、暑かったです。

 とりあえず駅前の東西に伸びる通りをまっすぐ進みます。車道も歩道も広い道で、昔ながらの道ではなさそうでした。交通量は少なめでした。

 県立鹿沼高校を過ぎた角ミニストップで惣菜パンを購入。朝は4時頃自宅で食パンを食べただけだったので、お腹が空いていました。食べながら今度は北へ。南北方向のほうが車が多いです。市立東小学校の角を右に曲がり、川へ出たら左へ。右岸に沿った道の歩道を進みました。この道は「ふれあい堤」と名付けられているようです。

 やがて川上澄生美術館に着きました。明治の洋館風の、小ぢんまりとした可愛い美術館です。

 開館時間前だったので周囲をぶらぶらしました。ここは市立図書館や文化活動交流館、市民情報センター、商工会議所などが集積しているようです。隣接してホームセンターや100円ショップなどが入ったショッピングモールがあります。

 ゆっくりぐるっと周ったあたりで開館時間になったので入館しました。

 1階には版画家・高倉浩三の作品の展示がありました。これは無料でも見られるようです。描いているものが私が興味を持つ光景と似ていて、好感を持ちました。水面の表現が特に好みでした。画集を売っているようで、買ってもいいかもと思ったほどです。しかし、置いてあったサンプルを見ると、撮影が悪いのか印刷が悪いのか、家庭用廉価スキャナー&プリンターで出したような感じだったので、ちょっと遠慮しておこうかなと思いました。

 2階が有料の展示室です。構造としては大きい部屋と小さい部屋の2部屋しかありません。大きい部屋は会議室のようにパーティションで中を仕切られるようになっていますが、今回は丸々一部屋そのまんまでした。小さい方の部屋は、所蔵品展「詩人の川上澄生」が開催されていました。

 清宮質文は作品点数が少ないそうです。そんな中で昨年開催された展覧会が大規模だったこともあり、小規模な今回の展示で初めて見るものはありませんでした。しかし、良いものは何度見ても良いものです。幸か不幸か、人が少なかったのでほとんど独り占めで鑑賞できました。

 私には経験的にも素質的にも「鑑賞眼」はない気がします。それを考えると、図録があればわざわざ本物を見に行かなくてもいいんじゃないかとも思います。しかし、図録って必ずしも1ページに1点ではありませんし、原寸大でもありません。鑑賞するための舞台装置として、きちんと1点1点展示されている美術館は価値があると思います。映画を映画館で見るのに近いのかもしれません。

 鑑賞を終えて、図録を買いに行きます。すると、本展の図録と別に2000年の小田急美術館での展覧会の図録も売られていました。収録作品は被りも当然多いのですが、解説が読みたくてこちらも購入しました。

 家に帰ったあとでよく見てみると、小田急美術館の図録は余白を多めにとってあって、鑑賞に適していると思いました。思わぬ拾い物です。

 図録購入特典としてポスターを頂いて、美術館を出ました。本展の図録に加えてそれの倍以上重い小田急美術館の図録に、B2サイズのポスター(を丸めたもの)。予定より大荷物になったので、散策は控えめにしてお昼を食べたら帰ることにします。

 美術館でお手洗いに行きそびれたのでお隣のビバホームのトイレを借り、ペットボトルの水を購入。市民情報センターが面する南北の通りを南下し、この一体の文化ゾーンの角を右折。

 はじめはそのまま直進して市役所前を通る国道へ出ようかと思ったのですが、途中で北へ抜けそうな面白そうな細道を見つけたのでそちらへ。水路が暗渠化したのか、もともと細い裏道だったのか。どの土地とも裏側で接する道は、数十メートルで普通の道路に接続して終わりました。

 左折して西方向へ。信号のある交差点を通り過ぎたあと、右手に赤い屋根の学校が見えたのでそちらへ。正門に向かってまっすぐ参道のように道がありました。

 学校は鹿沼市立北小学校でした。あいにく耐震工事中で屋根以外よく見えませんでしたが、木造校舎のようでした。良い雰囲気の校舎です。現役の学校なので無理なのはわかっていますが、校舎の中に入ってみたくなりました。

 学校の西の方の小山の上に観覧車が見えたので今度はそちらへ。そこが千手山公園のようです。

 千手山公園の手前のお寺の石段を登ると、その裏手が千手山公園でした。というより千手山公園がお寺の背後にあるというのが正しいのかもしれません。園内には童謡が流れていました。「さっちゃん」「クラリネットこわしちゃった」「めだかの学校」「おなかのへるうた」などなど。私が園内にいた小一時間の中で曲目の被りはありませんでした。なんだか童話の世界の中に入り込んだような気がしました。

 園内は子供むけの観覧車のほか、「ジェットスター」という、私も一般の遊園地で乗ったことのあるやつ(名前はしりません)をちょっと小規模にしたようなアトラクションと、ミニ機関車がありました。園内を走るその列車は、私の地元の公園に昔あったミニ鉄道よりも軌間が広く、枕木もちゃんとあって、たいそう立派なものでした。これらのアトラクションは6歳以上から子供一人で乗っていいそうです。どれも1回50円。素晴らしい。

 観覧車は山のてっぺんにあるので、眺めは大層良いことでしょう。列車も山の外周を通るので(見ていて怖いくらいです)、これもとっても楽しそうです。別に子連れでない大人一人が乗って悪いことはないとは思いつつ、勇気が出ませんでした。子供の頃に来たかったです。

 千手山公園を出たあとは市役所方面へ。山を降りたあとまた車道を登って下って市役所前です。

 市役所前の通りをそのまま南下し、突き当りを左に曲がると今宮神社の鳥居前に出ました。立派な神社です。

 参道に接続する道を南下すると、右手にまた学校が現れました。鹿沼市立中央小学校です。新しい校舎で、木材が多く使われているようです。

 学校の前の歩道のベンチでちょっと休憩して、引き続き南へ。左手にあったまちの駅でお手洗いを借りました。

 そろそろいい時間なので、ご飯屋さんがありそうな国道へ移動して、引き続き南下。イタリアンやラーメン屋さんなどが目に入りましたが、いまいちピンとこず。

 新鹿沼の駅前まで戻ってきてしまったところでお蕎麦屋さんが目に入りました。「ニラ蕎麦」なるメニューが掲げられていて、興味が湧いたので入店。ニラ蕎麦を注文しました。

 店内は外見から想像したよりも広かったです。椅子席の他に座敷席もありました。先客は2組いました。入口の上にはテレビがあって、番組が流れていました。個人的にはBGMが流れているよりも、こういった感じでTV音声がある方が好きです。

 ニラ蕎麦はお蕎麦と茹でたニラが混ざって盛られているというものでした。お蕎麦を食べるときにニラの香りと食感が混ざるのは結構面白かったです。悪くないですよこれは。

 一方、付属の薬味(わさび、ねぎ、揚げ玉)を使うと、それらの香味とバッティングしてニラの香りを感じにくくなってしまうと感じました。次回があるかどうかはわかりませんが、ニラ蕎麦を食べるときは薬味を使わないようにしようと思いました。

 一息ついたので、もうちょっと散策を続けることにしました。自由通路(跨線橋)を通って西口の方へ行ってみます。

 自由通路は立派なものでした。エレベーターもちゃんと付いています。西口は駅の施設もお店も特にありません。バス停かと思ったところも屋根とベンチがあるだけの休憩所でした。ロータリーはあるのですが、自家用車もタクシーもいませんでした。

 西口側も住宅街と高校が見えますが、畑もあり背景に山を背負ってそれ以上に緑が多いので、東口に比べると随分とのどかな雰囲気です。

 時間的にあまり遠くへはいけないので、ロータリーをぐるっと回って、川沿いをちょっと歩いて、駅の南側の踏切を渡って駅に戻ります。

 電光掲示板を見ると、次の列車は約40分後でした。思っていたよりも本数が少ないようです。来たときに時刻表をちらっと見た感じでは1時間に3,4本あったような気がするなぁと思って時刻表を見直すと、大体特急でした。この区間普通列車よりも特急のほうが倍以上多いみたいです。

 特急を2本見送って、やっと来た4両編成の普通に乗ります。この列車は新栃木まで。日中は短編成列車は新栃木から東武日光までか新藤原までの区間で運転しているものが多いようです。

 新栃木で南栗橋行きに乗り換え。黄色のラインが入っている、初めて見るカラーリングの車両でした。日光までは行かないけど東京にも行かないくらいのところで使われているのでしょうか。

 その後特に寄り道もせず自宅最寄り駅まで。改札を出ようとしたら自動改札機に弾かれたので、駅員さんのいる改札へ行きました。入場から4時間以上経つとダメなのだそうです。不正乗車防止なのか、技術的な問題なのか分かりませんが、入場の記録はちゃんと残っており、特に怪しまれもせず出られました。新鹿沼の駅で40分待ったのがこんな珍しい体験に繋がるとは思いませんでした。

 微妙な距離だったので日帰りかつ移動時間のほうが長いお出かけになりましたが、こうして書いてみるとそれなりに充実していたような気がします。やっぱりお出かけは良いものです。